海外視察報告書デジタルカタログ
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講演 「台湾の安全保障について」 2023.10.16(月) 9月下旬の世論調査では中国との関係について「現状維持」との回7兆7千億円、中国は30兆円、アメリカは937兆円。GDP比では台湾は3%。日本は1%なので、台湾16 が半々、「独立に賛成」が25%。「中国と統一したい」はわずか8%しかいない。最近の若い人の中には「統一はいいが中華民国が中華人民共和国を統一するならいいよ」といった声もでている。「自分もしくは家族が戦争に行きたくない」という人は54%だが「是非戦争に行きたい」は19%もいる。これは日本では考えられない感覚。「中国と戦争になったとき米国が助けに来ないと思っている」がなんと46%もいる。「5年以内に戦争が起きないと考えている」が64%。「戦争の可能性が高いと思っている」が23%。台湾は戦争の備えをしっかり行っていると言っていい。因みに来年度の台湾の国防予算は2兆8千億円、日本はは額こそ少ないが割合はそこそこあるのだ。日本においても、中国が台湾に圧力を強めているとの報道がなされているが、どちらかと言うと日本の方が緊張感が高いようだ。7月に台湾で大規模な軍事演習が行われたが、日本から多くの取材が来ており大変驚いた。 台湾では台湾有事の準備をしっかり行っており2024年から兵役が4か月から1年に延びることになった。また大きなビルには防空避難所があちらこちらに設置されており、アプリでは防空施設がわかるようにもなっている。また防空避難所に入れる人数は人口の3倍程度まで入れる。日本でも防空施設を作らなければならないとの意見もあるが台湾はすでにしっかり準備しているのである。中国が軍事侵攻するかしないかは最大の関心事であるが、一番軍事侵攻すると考えられるのは台湾が独立を宣言した時、あるいは台湾が独立に向けたプロセスに踏み出したときである。また実際には無いだろうが、台湾が核武装する、もしくは国連に 宮崎氏は日本テレビ入社後、報道局社会部、調査報道班を経て中国総局長の経歴を持ち中国での取材歴は10年以上。現在はフリーの記者として台湾に駐在している。 冒頭、宮崎氏は「台湾の安全保障は、中国から軍事的圧力や経済的圧力を加えているという面もあるが、それ以外に中国が台湾の世論を工作する認知作戦も行っているのが現状である」と述べ、現在取材している内容を中心に還元いただいた。 答が60%。60%の内訳はとりあえず「現状維持」と「未来永劫現状維持」台湾駐在ジャーナリスト 宮崎 紀秀 氏

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