圓山大飯店 地下トンネル視察 2023.10.18(水) 85メートルで75段の階段を下り剣潭公園に通じている。 誌において世界10大ホテルに選定されている。 このホテルには秘密の地下トンネルがありその正体は非常用避難ルート。地下トンネルはホテルの東側と西側にそれぞれ1本ずつあり、東側は全長67メートルで北安公園に通じ、西側は全長台湾海峡を挟んだ向かい側からの空襲に備えての防空壕とし20 ても設計されており収容可能人数は最大約1万3,000人。ホテル宿泊者だけではなく、近隣住民も避難できるようにと設けられている。ホテルが設立された当時は友好国の元首や要人が多く宿泊されており、こういった方々の安全を守ることが求められていたことも背景にあるようだ。 以前は一般人の立ち入りが完全に禁止されていたが、2019年より西側ルートが一般公開され、今回ホテルの地下1階から西側の地下トンネルを通り剣潭公園に出るところまでを見学することが出来た。トンネル内は防音効果を保つためにごわごわとした塗料で塗り固められていた。また階段横には滑り台があったがこれは荷物を滑らせて運ぶためのものとのこと。またトンネルは敵の追撃や銃弾を避けるためにあえて曲がりくねった設計となっている。 台湾有事が叫ばれている中、台湾では現在防空壕の整備が進められている。専用の防空壕ではなく、地下駐車場や地下鉄網、ショッピングセンターの地下などのスペースが活用され、台北にはすでにこうした防空壕が4,600カ所以上あり、市の人口の4倍以上に当たる約1,200万人を収容できるのである。そして行政は防空壕のデータベースを常に更新し、スマートフォンのアプリに位置情報を掲載しているとのこと。 今回の視察において、台湾の人々が台湾有事の危機感に煽られているような印象は一切持たなかったが、いざというときのために着々と体制を整備している姿を垣間見ることが出来た。我が国においても台湾有事は決して他人ごとではなく、また北朝鮮の核・ミサイル開発など、我が国を取り巻く安全保障の問題を改めて考えるいい機会になったのではないか。 今回台北で宿泊した圓山大飯店は1952年に蒋介石夫人である宋美齡氏が建てたホテル。1967年にはアメリカの「Fortune」台湾有事に備えた非常用避難ルート
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