80 Ⅰ「埼玉県子育て応援行動計画」の着実な履行と進捗状況の還元 埼玉県では、子どもや子育て環境を取り巻く課題やニーズを踏まえ、更なる少子化対策や子育て支援策を推進するため、第4期目となる「埼玉県子育て応援行動計画(令和2年~6年度)」を策定している。この計画は子どもに関する様々な施策が盛り込まれており、安全・安心なまちづくりの観点からも、この計画に沿ってしっかり取り組んでいくことが求められる。 埼玉県におかれては本計画が着実に履行されるよう進行管理を徹底するとともに、社会経済情勢の著しい変化等が生じた場合には必要に応じて適宜見直すなどの取組をお願いしたい。 また、進捗状況に関しては毎年度1回以上、埼玉県児童福祉審議会に報告し確認を行っているとのことであるが、県民や企業の関心を更に高めるべく、「未来を担う子どもたちへの支援に関する協定」を締結した本会をはじめとする県内経済団体等に対し、必要に応じ還元の機会を設けていただきたい。 Ⅱ貧困対策に向けて 1.貧困に焦点を充てた実態把握と対策の策定 コロナ禍をはじめ子どもを取り巻く環境変化が著しいなか、子どもの貧困の実態を正確に把握することが必要である。 埼玉県におかれてはアンケートの実施等を通じて早急に子どもの実態を把握されたい。また実態を速やかに公表するとともに、実態に基づいた対策を策定し、短期的な課題に関しては早急に実行いただくとともに、中長期的な課題に関しては次期「埼玉県子育て応援行動計画」に反映させるなどの取組をお願いしたい。 2.子どもの居場所づくり推進に向けた取組強化 ①「こども応援ネットワーク埼玉」への民間企業の参画への取組強化 埼玉県では、貧困の連鎖の解消に向け、社会貢献活動等を行う団体・企業や個人のネットワークとして、全国的にも珍しい「こども応援ネットワーク埼玉」を平成30年12月に立ち上げ、会員の取組の発信、会員・支援先に関する有益な情報提供やマッチングを行っている。設立から5年で会員数が750を超えるなど、相当なネットワークが構築されていることは評価できるものの、会員の多くはNPO法人や個人等であり、子どもの貧困に対し、金銭の寄付や食材・物資提供、ボランティア活動等、相応の支援が期待できる民間企業の参画が少ないのが実情である。SDGs経営を実践する民間企業は着実に増えており、具体的な活動のきっかけを求めている企業の声も多く聞かれる。 埼玉県におかれては、同ネットワークの更なる周知を徹底するとともに、県内経済団体等とも連携し民間企業の参画への取組を強化されたい。 【提 言】
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